日本の金工は、弥生時代に大陸よりもたらされた技術にその端を発したといわれています。その用途の広さから、常に生活の場と何らかの関係を持ち、その機能性と美しさを求められながら、日本独自に発展してきました。
とりわけ明治の金工作品は世界でも類を見ない完成された美術品です。
高度な彫りの技術、複雑で多彩な象嵌(ぞうがん)・色絵の技術、豊富な色彩を生み出す色上げの技術、これらの技術が相まって独自の美の世界を創り出しています。こうした作品は明治という時代が生み出したものであり、それ以前には存在しなかったジャンルです。江戸時代までの刀装金工達の蓄積された技術、明治という急速に西洋文化が流入した時代背景、そして帝室技芸員制度や天皇・皇室の支援があってはじめて完成することが出来たといえるでしょう。 |